虫歯の原因と虫歯予防①

こんにちは!江間ファミリー歯科・矯正歯科の副院長、江間秀明です。
毎月第1水曜日に放送されるYBSラジオ「ひる前キッズデンタル」で、『0歳から始める!虫歯を防ぐ正しい知識と習慣』についてお話ししました。本日はその内容をまとめてお伝えします。
虫歯はなぜできる? 3歳未満の驚きの現状
番組では3歳未満の子どもたちの虫歯写真を3枚紹介しました。写真のように3歳未満でも重度の虫歯が進行することがあります。



「乳歯はどうせ生え変わるから…」と油断しがちではないでしょうか。しかし、これは大きな誤解です。乳歯の時期は、ただ食べ物を噛むだけではなく、次のような大切な役割があります。
● 食べる・喋る・呼吸などの機能発達
● 栄養摂取による身体の成長サポート
● 永久歯の正しい歯並びを導くためのスペース保持
乳歯の健康状態が将来の口腔機能にまで影響を与えるため、この時期からのケアがとても大切なのです。
甘いものの落とし穴と、よくある誤解
子どもが大好きなジュースやお菓子、アイスなど…。特に夏場はつい与えすぎてしまいます。でも実は、「歯磨きをしているから甘いものを食べても大丈夫」というのは誤解です。
砂糖(スクロース)は虫歯菌の大好物で、次のような種類もすべて糖類です。
● 黒糖
● てんさい糖
● 三温糖
● 和三盆
砂糖を摂取すると、口の中の細菌(特にミュータンス菌)が酸を作り出し、歯の表面を溶かします。これを「脱灰」といい、日常的に続くと歯が再生できず虫歯になります。
虫歯の主な原因と家庭でできる対策
虫歯は次の4つの要素が絡み合って起こります。
1.細菌(ミュータンス菌など)
2.食事(特に糖類)
3.宿主(歯や唾液の状態)
4.時間(酸にさらされる長さ)
唾液1滴には1億個以上の細菌が存在し、500種以上が生息しています。これらは赤ちゃんが生まれた時には存在せず、主に、母子間を中心とした家族内感染によって移ります。
ただし、「赤ちゃんとのスキンシップを減らせばいい」ということではありません。スキンシップは心の発達にとって重要ですから、親御さんがまず自分の口腔ケアを徹底することが大切です。
家庭でできる対策は次のとおりです。
● 親自身が毎日の歯磨きと定期的な歯科受診を行う
● 子どもの糖分摂取をコントロールする(ジュースやおやつの量を管理する)
● 歯磨きは「やっているつもり」ではなく、染め出しなどで磨き残しを確認する
● 歯科医院で定期的にブラッシング指導を受ける
小さな積み重ねが将来の大きな差に
虫歯予防は「歯磨きだけ」で達成できるものではありません。食事、生活習慣、家族全体の意識づけが大切です。
親子で正しい知識を学び、毎日の小さなケアを積み重ねていくことで、お子様の未来の健康が守られます。