妊娠中のホルモン変化と歯周病は関係します ── 妊婦さんと赤ちゃんのためのお口のケア | 江間ファミリー歯科・矯正歯科 | 江間ファミリー歯科・矯正歯科 | 山梨県甲府市
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2026.05.07
  • 予防・一般
  • 小児歯科

妊娠中のホルモン変化と歯周病は関係します ── 妊婦さんと赤ちゃんのためのお口のケア | 江間ファミリー歯科・矯正歯科

こんにちは。江間ファミリー歯科・矯正歯科の副院長、江間秀明です。

毎月第1水曜日に放送されているYBSラジオ「ひる前キッズデンタル」では、お子様のお口の健康や予防についてお話ししています。2026年4月のテーマは「おなかの子どものためのむし歯予防」。今回はその内容を、コラムとしてお届けします。

妊娠中のホルモン変化と歯周病は、関係します

はじめに、はっきりお伝えします。「妊娠中のホルモンの変化と、歯ぐきの病気(歯周病)は関係ない」と思っている方がいらっしゃいますが、関係します。妊娠中だからこそ、お口のトラブルには注意が必要です。その理由を、このあと順にお伝えします。

妊娠中から始まる、赤ちゃんの「歯づくり」

お子様の歯は、生まれてから作られるものと思われがちですが、その基礎は妊娠中からすでに始まっています。歯のもととなる「歯胚(しはい)」は妊娠初期から形成され、妊娠4か月頃には石灰化が進み、少しずつ硬く丈夫な歯へと成長していきます。

そのため、お母さんのお口の環境は、おなかの赤ちゃんにとっても大切です。妊娠中のお口の状態が、その後の歯の質やむし歯のなりやすさに影響する可能性もあるため、早い段階から意識しておくことが大切です。

妊娠中に起こりやすいお口のトラブル

妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯ぐきが腫れやすくなったり、出血しやすくなったりします。さらに、食事回数の増加や生活リズムの変化、唾液量の減少なども重なり、むし歯や歯肉炎が進行しやすい状態になります。

私の診療経験では、ふだんお口のトラブルが少ない20代の患者さんでも、妊娠中に歯ぐきが腫れてくることがあります。年齢が若いから大丈夫、とは言い切れないのが妊娠中の体です。ふだんとは違う状態になっている、と考えておいてください。

また、つわりの影響で歯みがきが思うようにできなくなることもあり、知らないうちにトラブルが進んでしまうケースもあります。妊娠がわかったら、できるだけ早めに妊婦歯科検診を受け、お口の状態を確認しておきましょう。

歯周病と、早産・低出生体重児について

妊娠中に特に気をつけたいのが歯周病です。歯周病と早産・低出生体重児との関連は、複数の研究で報告されています。妊娠中のお口の健康管理において、見逃せないポイントのひとつです。

歯ぐきの腫れや出血を「妊娠中だから仕方ない」と放置せず、気になる症状があれば早めに歯科医院でご相談ください。妊婦歯科検診で現在の状態を把握しておくことが、妊娠期間を落ち着いて過ごすことにつながります。

つわり中でもできる、セルフケアの工夫

つわりで歯みがきがつらくなる方は少なくありません。そのようなときは無理をせず、できる範囲で工夫しながらセルフケアを続けてみてください。

たとえば、ヘッドの小さな歯ブラシは、お口の奥に入れたときの吐き気を軽減しやすくなります。体調の良い時間帯にみがく、どうしても難しいときは洗口剤を使う、といった方法も役立ちます。奥歯まわりや磨きにくい部分には、タフトブラシをピンポイントで使うのも一つの方法です。

歯科医院で正しい歯みがき方法の指導を受けたり、定期的にクリーニングや歯石除去を受けたりすることでも、妊娠中の口腔環境を保ちやすくなります。

赤ちゃんの歯を育てる、食生活のポイント

「食べづわり」で間食が増える場合は、砂糖を多く含む食品を控えめにし、おにぎりやチーズ、果物、いも類など栄養価の高い食品を選ぶようにしてみてください。炭酸飲料を飲むときは、できるだけシュガーフリーのものを選びましょう。

特に、カルシウムやリン、たんぱく質、ビタミンA・C・Dは、歯の形成に欠かせない栄養素です。ひとつの食品に偏らず、さまざまな食材をバランスよく取り入れることが大切です。

栄養素多く含まれる食品
カルシウムひじき、しらす干し、チーズ
リン魚類、卵、豆腐
たんぱく質肉、卵、豆腐
ビタミンA緑黄色野菜
ビタミンC果物、緑黄色野菜
ビタミンD魚類、きのこ類

妊娠してから、ではなく ── 「プレコンセプションケア」という考え方

近年、「プレコンセプションケア」という考え方が広がっています。これは、妊娠してからではなく、妊娠する前から、心と体の健康を整えておくという考え方です。

お口のケアも同じです。妊娠してからあわてて始めるのではなく、妊娠する前からの歯みがきや定期検診の習慣が、結果として妊娠中のお口の健康を支えます。これから妊娠を望む方も、ふだんからお口の状態を整えておくと良いでしょう。

妊娠中の歯科治療について

妊娠中にむし歯が見つかった場合でも、安定期であれば基本的に治療は可能です。ただし、体調や妊娠の経過には個人差があるため、事前に歯科医師に相談しながら、無理のない範囲で進めていきます。

妊娠中だからといって、すべての治療を我慢する必要はありません。症状を放置すると出産後に治療が大がかりになることもあります。気になる症状があるときは、早めにご相談ください。

里帰り出産で山梨に帰省される方へ

山梨のような地方では、里帰り出産で帰省される妊婦さんもいらっしゃいます。かかりつけの歯科医院を離れている間も、お口のケアはぜひ続けてください。里帰り先にも、お口のケアを相談できる歯科医院が見つかるとよいですね。

まとめ

赤ちゃんの歯づくりは、妊娠中から始まっています。妊娠中はむし歯や歯肉炎、歯周病が進みやすいため、毎日のセルフケアと早めの歯科検診が大切です。そして、できれば妊娠前からの習慣として、お口のケアを続けていただけたらと思います。

当院では妊婦歯科検診を行っています。妊娠中のお口のことで気になることがあれば、お気軽にご相談ください。ご予約はお電話で承っています。

江間ファミリー歯科・矯正歯科
電話: 055-226-5582

執筆・監修: 江間秀明(歯科医師 / 江間ファミリー歯科・矯正歯科 副院長)
監修日: 2026年5月22日