子どもの歯ぎしり・大人の食いしばり|原因と対策を歯科医が解説|山梨
お子様の寝ている時の歯ぎしり、ご自身の食いしばり——気になっている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、山梨県甲府市の江間ファミリー歯科・矯正歯科が、歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)の原因・影響・対策について、歯科医学的なエビデンスに基づいて解説します。
ブラキシズムとは
ブラキシズムとは、睡眠中や覚醒時に無意識に歯を強く噛みしめたり、こすり合わせたりする習慣の総称です。日本補綴歯科学会では、以下の3つに分類されています。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| グラインディング | 歯をこすり合わせる。ギリギリという音がする |
| クレンチング | 歯を強く噛みしめる。音がしにくい |
| タッピング | 歯をカチカチ鳴らす。比較的まれ |
疫学研究によると、睡眠時ブラキシズムの有病率は成人で約8〜13%(Lobbezoo et al., 2013, Journal of Oral Rehabilitation)、小児では約3.5〜40.6%と報告によりばらつきがあります。
子どもの歯ぎしり
子どもの歯ぎしりは「正常な発達過程」のことが多い
日本小児歯科学会の見解では、乳歯列期(6歳未満)の歯ぎしりは生理的なものであり、多くの場合は心配不要とされています。
その理由:
- 乳歯の生え変わりに伴う噛み合わせの調整を無意識に行っている
- あごの筋肉や関節の発達過程の一部
- ストレスとの関連は成人ほど明確ではない
受診が必要なケース
- 歯が著しくすり減っている
- 起床時にあごの痛みを訴える
- 永久歯に生え変わっても歯ぎしりが続く
- 歯の破折が見られる
当院では、小児歯科専属のスタッフが、お子様の歯ぎしりの状態を丁寧に診査します。矯正認定医との連携で、噛み合わせの問題がないかも確認いたします。
大人の歯ぎしり・食いしばり
原因
成人のブラキシズムは多因子性であり、単一の原因は特定されていません。現在の研究では以下の要因が関与するとされています。
- 精神的ストレス・不安:最も強い関連因子(Manfredini & Lobbezoo, 2009)
- 睡眠の質の低下:睡眠時無呼吸症候群との関連が報告
- 噛み合わせの不調和:ただし、噛み合わせが特徴的な原因とする古い学説は現在は否定的
- 薬剤の影響:一部の抗うつ薬(SSRI等)がブラキシズムを誘発する可能性
- 飲酒・カフェイン・喫煙
歯ぎしり・食いしばりが及ぼす影響
- 歯の摩耗・破折:エナメル質がすり減り、象牙質が露出(知覚過敏の原因に)
- 顎関節症:あごの痛み、開口障害、関節の雑音
- 歯周病の悪化:過大な咬合力が歯周組織にダメージを与える(二次性咬合性外傷)
- 頭痛・肩こり:咬筋の過緊張が関連
- 被せ物・詰め物の脱離・破損
- 顔の歪み:咬筋の非対称な発達
歯ぎしり・食いしばりの治療法
①ナイトガード(スプリント療法)
就寝時にマウスピース型の装置を装着し、歯や顎関節への負担を軽減する方法です。日本顎関節学会のガイドラインでも第一選択の保存的治療法として推奨されています。保険適用で作成可能です。
②認知行動療法(自覚・習慣改善)
日中の食いしばりに対しては、自覚を促すアプローチが有効です。デスクやスマートフォンにリマインダーを設定し、定期的に顎の力を抜く意識づけを行います。
③噛み合わせの調整
明らかな噛み合わせの不調和がブラキシズムの誘因となっている場合は、咬合調整や矯正治療を検討します。ただし、前述の通り噛み合わせだけがブラキシズムの原因ではないため、総合的な判断が必要です。
④ストレスマネジメント
ストレスが主要因と考えられる場合は、ストレスの軽減や睡眠環境の改善も重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 5歳の子どもが歯ぎしりしますが、受診すべきですか?
A. 乳歯期の歯ぎしりは生理的な場合が多いですが、歯のすり減りが大きい場合や痛みがある場合は受診をおすすめします。山梨県甲府市の当院では小児歯科専属スタッフが対応します。
Q. 食いしばりが顔の歪みの原因になりますか?
A. 片側の咬筋が過度に発達すると、顔の左右差(エラの張り)が生じることがあります。矯正と顔の歪みの関係はこちら
Q. ナイトガードは保険適用ですか?
A. はい、歯ぎしり・食いしばりに対するナイトガードは保険適用で作成できます。
まとめ
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)は、子どもでは生理的な場合が多い一方、大人では歯の損傷や顎関節症につながるリスクがあります。
甲府市の江間ファミリー歯科・矯正歯科では、お子様から大人まで、噛み合わせとブラキシズムの診断・治療に対応しています。
執筆監修:江間ファミリー歯科・矯正歯科 副院長 江間秀明
参考文献:Lobbezoo F, et al. (2013) J Oral Rehabil. / Manfredini D, Lobbezoo F. (2009) J Oral Rehabil. / 日本顎関節学会「顎関節症治療ガイドライン」/ 日本小児歯科学会「小児の歯ぎしりについて」