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歯茎にできもの(フィステル)ができる原因と治療法|放置するとどうなる?
歯茎にぷくっとした「できもの」ができて不安を感じていませんか?歯茎のできものには様々な種類がありますが、最も多いのがフィステル(瘻孔・ろうこう)と呼ばれるものです。
この記事では、山梨県甲府市の江間ファミリー歯科・矯正歯科が、歯茎のできものの原因・種類・治療法について、歯科医学的な根拠に基づいて解説します。
歯茎にできものができる主な原因
①フィステル(瘻孔)——最も多い原因
フィステルとは、歯の根の先端に溜まった膿(うみ)が歯茎の表面に排出される出口のことです。見た目は白〜赤の小さな膨らみで、押すと膿が出ることがあります。
日本歯科保存学会のガイドラインによると、フィステルは根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)の症状の一つです。根尖性歯周炎は、虫歯や外傷により歯の神経(歯髄)が壊死し、歯根の先端部に細菌感染が波及することで発症します(日本歯科保存学会「歯内療法ガイドライン」参照)。
主な原因:
- 重度の虫歯で神経が壊死した
- 過去の根管治療が不十分だった
- 歯根の破折(ひび割れ)
- 外傷による歯髄壊死
②歯周膿瘍(ししゅうのうよう)
歯周病が進行し、歯周ポケット内に膿が溜まって歯茎が腫れる状態です。日本歯周病学会の分類では、急性歯周膿瘍は歯周病の急性症状として位置づけられています。
③エプーリス(歯肉腫)
歯茎にできる良性の腫瘤(しゅりゅう)です。慢性的な刺激や、妊娠中のホルモン変化によって生じることがあります(妊娠性エプーリス)。
④口腔がんの可能性
まれですが、歯茎のできものが口腔がんである可能性もあります。日本口腔外科学会によると、2週間以上治らないできものは精査が必要とされています。
フィステルの診断方法
歯科医院では以下の方法でフィステルの原因を特定します。
- デンタルX線撮影:歯根の先端に黒い影(根尖病変)がないか確認
- CT撮影:3次元的に病変の広がりを確認。歯根破折の診断にも有効
- 電気歯髄診断:歯の神経が生きているか確認
- ガッタパーチャポイント挿入:フィステルにポイントを挿入してX線撮影し、膿の発生源を特定
当院では、CT撮影設備を完備しており、フィステルの原因を正確に診断できます。
フィステルの治療法
①感染根管治療(再根管治療)
歯根の中の感染した組織を除去し、消毒・充填する治療です。日本歯内療法学会のガイドラインでは、根管治療の成功率は初回で約85〜95%、再治療で約60〜80%とされています。
②歯根端切除術
根管治療で改善しない場合、歯茎を切開して歯根の先端と病変を外科的に除去する方法です。
③抜歯
歯根の破折が大きい場合や、保存が困難と判断される場合は、やむを得ず抜歯となることがあります。抜歯後はインプラント、ブリッジ、入れ歯などの補綴(ほてつ)治療を検討します。
フィステルを放置するとどうなる?
フィステルは自然治癒しません。放置すると以下のリスクがあります。
- 感染の拡大(骨髄炎、蜂窩織炎などの重篤な感染症)
- 歯を支える骨の吸収が進行
- 保存できたはずの歯が抜歯になる可能性
- 隣接する歯への影響
研究報告では、根尖病変を放置した場合、5年以内に病変が拡大するリスクが有意に高いことが示されています。
自分でフィステルを潰すのは危険
「膿を出せば楽になるから」とフィステルを自分で潰す方がいますが、これは非常に危険です。表面の膿が出ても原因は解消されず、二次感染のリスクが高まります。必ず歯科医院を受診してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 歯茎のできものが痛みに配慮したのですが、放置しても大丈夫ですか?
A. 痛みがなくても放置は危険です。フィステルは慢性感染の証拠であり、骨の吸収が進行している可能性があります。早めの受診をおすすめします。
Q. フィステルは自然に治りますか?
A. 自然治癒はしません。一時的に消えることがありますが、膿の排出路が塞がっただけで感染は続いています。根本的な治療が必要です。
Q. 子どもの歯茎にできものができました
A. 乳歯でもフィステルは発生します。放置すると永久歯の発育に影響する可能性がありますので、早めに小児歯科を受診してください。山梨県甲府市の当院では小児歯科専属のスタッフが対応します。
Q. 山梨でフィステルの治療ができる歯科医院は?
A. 甲府市の江間ファミリー歯科・矯正歯科では、CT設備を活用した精密な診断と根管治療を行っています。
まとめ
歯茎のできもの(フィステル)は、歯根の先端の感染が原因で発生する「膿の出口」です。自然治癒はせず、放置すると感染の拡大や歯の喪失につながるリスクがあります。
2週間以上治らないできものがある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
執筆監修:江間ファミリー歯科・矯正歯科 副院長 江間秀明
参考文献:日本歯科保存学会「歯内療法ガイドライン」、日本歯周病学会「歯周病の分類と診断基準」、日本口腔外科学会「口腔がん診療ガイドライン」
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