- 予防・一般
歯がズキズキ痛い!拍動痛の5つの原因と今すぐできる応急処置|歯科医が解説

波打つような歯の痛み(拍動痛)とは?
心臓の鼓動に合わせてズキズキと脈打つような歯の痛みを、歯科では「拍動痛」と呼びます。この痛みは、体の中の閉鎖された空間の圧力が上昇することで発生しており、歯科の中でも緊急性の高い症状の一つです。
拍動痛は夜間や横になった時に強くなる傾向があり、眠れないほどの激痛になることもあります。
拍動痛の主な原因
1. 歯髄炎(しずいえん)
虫歯が歯の内部(歯髄)にまで進行すると、歯の中の神経と血管が炎症を起こします。炎症によって歯髄が腫れると、硬い歯の壁に囲まれた密閉空間の中で圧力が上昇し、強い拍動痛が生じます。
初期は冷たいもので痛みが出ますが、進行すると温かいものでも痛み、やがて何もしなくてもズキズキ痛む「自発痛」へと移行します。
2. 根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)
歯の根の先端に膿が溜まった状態です。過去に神経を取った歯や、歯髄炎を放置した歯に起こりやすく、膿の圧力で顎の骨にまで炎症が波及することがあります。
歯を噛むと痛い、歯が浮いた感じがする、歯茎が腫れるといった症状を伴います。進行すると顔が腫れることもあり、早急な歯科受診が必要です。
3. 親知らず周囲の炎症(智歯周囲炎)
親知らず(智歯)が横向きに生えていたり、半分しか生えていない場合、歯と歯茎の間に汚れが溜まりやすくなります。この汚れが原因で感染が起こり、周囲の歯茎が腫れて拍動痛が生じることがあります。
4. 歯周膿瘍(ししゅうのうよう)
重度の歯周病で深い歯周ポケットに膿が溜まった状態です。歯茎の腫れとともに拍動痛を伴うことがあります。
歯科受診までの応急処置
拍動痛は根本的な治療が必要な症状ですが、すぐに受診できない場合は以下の応急処置で一時的に痛みを和らげることができます。
市販の痛み止めを服用する
ロキソニンやイブプロフェンなどの鎮痛剤は、歯の痛みに効果的です。用法・用量を守って服用してください。ただし、痛みが治まったからといって歯科受診を先延ばしにするのは危険です。
患部を冷やす
冷たいタオルや保冷剤をタオルで巻いて頬の上から当てます。血管が収縮し、炎症部位の圧力が下がることで痛みが軽減します。直接氷を当てたり、口の中に氷を含むことは避けてください。
冷たい水でうがいする
冷たい水(冷水)で優しくうがいをすることで、冷やすのと同様の効果が期待できます。ただし、知覚過敏がある場合は逆効果になることもあります。
やってはいけないこと
- 患部を温める(入浴・飲酒で悪化する可能性)
- 患部を強く触る・押す
- 自分で穴を開ける・膿を出そうとする
- 痛み止めだけで長期間放置する
歯科医院での治療
拍動痛の原因に応じて、以下の治療が行われます:
- 歯髄炎:根管治療(神経の治療)
- 根尖性歯周炎:感染根管治療、場合により切開排膿
- 智歯周囲炎:消炎処置後、必要に応じて親知らずの抜歯
- 歯周膿瘍:切開排膿、歯周治療
拍動痛を予防するには
拍動痛の多くは、虫歯や歯周病の進行した段階で発生します。つまり、定期的な歯科検診と予防ケアで多くの場合は防ぐことができます。
- 3〜6ヶ月ごとの定期検診
- 毎日の丁寧な歯磨きとフロスの使用
- 虫歯の早期発見・早期治療
- 親知らずの状態を定期的に確認
まとめ
波打つような歯の痛み(拍動痛)は、歯の内部や周囲で炎症が起きているサインです。応急処置で一時的に痛みを和らげることはできますが、根本的な治療のためには早めの歯科受診が不可欠です。
当院では急な歯の痛みにも可能な限り対応しておりますので、お気軽にお電話ください。また、痛みを未然に防ぐためにも、定期的な予防歯科の受診をおすすめしています。
よくある質問(Q&A)
Q: 歯がズキズキ痛い時の応急処置は?
A: 市販の鎮痛剤(ロキソニン等)の服用、冷たいタオルで頬を冷やす、冷水でのうがいが有効です。ただし根本的な治療のために早めの歯科受診が必要です。
Q: 拍動痛は放置しても治りますか?
A: 一時的に痛みが引くことはありますが、神経が壊死しただけで炎症は残っています。必ず歯科医院を受診してください。